富岡第一・第二中学校で7月8日、総合的な学習の時間内の「ふるさと創造学」の取組として、富岡町の歴史や産業に詳しい地域の方々を招いたインタビュー活動が行われました。子供たちは学年ごとに設けられたテーマに沿って、仮設住宅や職場訪問を通じ、個人課題を設定。一人ひとり知りたい情報を聞き取れるよう事前に質問を練って臨みました。
当日はまず、富岡町のジオラマ模型を前に町の主任学芸員・三瓶秀文さんと主事学芸員の門馬健さんからさんから、遺跡調査や古文書を紐解いてわかってきた、富岡町の成り立ちについて講義を受けました。
「警察署は覚えているかな?その下には化石がたくさん埋まっているんだよ。」
陸前浜街道に位置した富岡地区は、古くから東西の交通拠点として、行き交う人々を受け入れながら栄えた場所。対して、桜で有名な夜ノ森地区は、鉄が採れたことなどから近代、工業で発展した地域だそう。三瓶さんは、「震災も含め、町がなぜこうした道のりを辿ってきたかを考え、これからを考える材料にしてほしい」と話しました。
続いて、はじまったインタビュー活動。講師陣は、先の二人に加え、役場総務課参事の滝沢一美さん、小浜行政区長・熊耳自治会長の松本政喜さん、(有)大原本店の大原弘道さん、諏訪神社宮司の宇佐神幸一さん、観陽亭社長の遠藤義之さん、そうそう絆サロン世話人の遠藤祝穂さんと総勢8名。子供たちは順々に講師の方々を回り、対面形式で話を聞いていきました。
「“ろうそく岩”ってどうしてできたんですか」
「もともと出っ張っていたところが、浸食されて細くなったんだよ」
「浸食って理科で習ったね」
「商店街のイベントはどんなものがあったんですか」
「一番大きいのは、やっぱりえびす講だね。そしてパレードもやったね」
指導にあたった富岡一中の櫻田弘樹先生は、「同じ場所や行事でも、講師の方それぞれの個人的な思い出など、異なるお話が出てくる。本やインターネットでは得られないこと」と地域の方々の交流の大切さを話します。
これから集めた情報を整理分析して、学習発表会や双葉郡の小中高生が集まる「ふるさと創造学サミット」に向けてまとめていくそう。今後の活動が楽しみですね。
会場なったのは、この6月に完成した仮設体育館。新しく広々とした空間で、バドミントン部、卓球部、総合文化部の活動も始まっています。